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「あぁ…憂鬱だ…。」
上半身だけ鏡に映しながら帯を巻く。
あたし帯だけはどうしても苦手なんだよなぁ、文庫しかできねぇし…。
そんなことを思いながらもなんとか着付けは完了しまじまじと鏡を見てみる。
うん、やっぱり着物負けしてる、こんな格好でアイツ等の前に面出せるわけねぇだろ!!
昨日のアレ本気だったのか!!?
あたしをいじるみたいなこと言ってたけど本気だったのか!?
「あー…どうしよ…。」
頭を抱えて考えを巡らせてみるがなかなかいい案が思い浮かばない。
「………諦め、るか。」
早く髪もやった愛華の姿も見てみたいし。
(決して雅の腕を信用しているわけではない)
遅かれ早かれどうせ引きづり出されるんだ、だったらもう諦めて開き直った方がいいに決まってる。
「うし!!」
パシン!!と両頬を叩き気合を入れ、勇ましくドスドス歩きながら幹部室の前で深呼吸する。
せっかく着物を着ているのに台無しだな…と思いつつバン!!と扉を開けた。
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