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新年早々あたしはなにやってんだか…と手をパキパキ鳴らしながらあたしもいつもの場所に腰を下ろした。
もちろん隣には愛華だ。
「でも愛さん和服の着付けなんてどこで覚えて来たんですか?」
「そうだね、かなり上手だし…。」
まだ笑っている湊がチビに乗っかって聞いてきた。
まさか‘仕事の為咲さんに一から叩き込まれた’とは言えるはずもない。
「あー、これは母さんに教わったんだ。」
「へぇ…愛ちゃんのお母さん振袖の着付けできるんだ。」
「もしかして美容師でもやってんのか?」
「いや?違うけど…多分事務仕事じゃない?
家じゃ仕事の話ないから分からないけど。」
母さんが美容師?ないない…と思いながらテーブルの上にあったみかんの皮を剥く。
あたし昨日から一人でどんだけみかん消費してんだろ、その内手が真っ黄色になっちまいそうだ。
「それより初詣っていつ行くの?もう九時だけど。」
「まだ晃さんが起きて来てないんだよ。」
まだ頭を擦っている涼、そこまで痛かったかコラ。
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