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「ちげぇよ!!髪だ髪!!せっかく振袖着てんだからめかしこめ!!」
「え、面倒じゃん。」
「お前女だろ!!もう少し色気づけよ…。」
「だから面倒…。」
「オレがやってやるから動くんじゃねぇ!!
分かったな!?」
「あー…はいはい。」
いつもよりなぜか目が輝いている雅。
そんな雅に面倒だと思いながらもあたしは折れて大人しく動かないつもりでいたが…。
駄目じゃん!!あたし今は地毛じゃなくてカツラ被ってんだった!!
一応しっかりとは留めてあるけどさすがに触ったら馬鹿な雅でもわかるんじゃねぇの!?
それは危険だ!!ヤバいヤバい!!この場合あたしはどうすれば!!?
「んじゃ、行くぞ。」
「ちょ…ちょっと待った!!」
「あ?」
雅の右手にはおそらく髪を巻くためであろうコテが握られていて…あたしは冷や汗をダラダラかく。
不味い!!このカツラってアイロンかけても大丈夫なやつだっけ!?
一番高いやつだっけ!?
必死に思い出そうとしてもテンパっている今のあたしに思い出せるはずもなく…もちろん誤魔化す方法も思い浮かばない。
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