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今度はアイロンの代わりになにやら黒いゴムを右手にはめて…あたしの髪(カツラ)を左右に分ける。
本当にバレないか、カツラがずれないか冷や冷やしたが鈍い雅に安心する。
全く気付いている様子はなく髪をいじっていた。
カツラはあたしが思っていた以上にしっかりとくっ付いてくれているらしい。
「あとどんぐらい?」
「まだ始めたばっかだろ。」
髪をいじり出して三分、まだらしい。
「…まだ?」
「……まだ。」
髪をいじり出して六分、まだらしい。
「…まだ?」
「まだ!!お前少し黙ってろ!!頼むから!!」
…珍しく雅に頼まれたためあたしは黙って待ってることにした。
あたしと雅のやり取りを湊が笑いながら聞いていたは…いうまでもないだろう。
「わぁ…みやにいすごいね!!」
「だろだろ?兄ちゃん天才だろ?」
「…そこまで言ってない。」
「湊は黙ってろって!!」
「ねぇ、鏡、なんか頭重いんだけど。」
「纏めて髪飾りも付けたからな、仕方ないだろ。」
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