初詣

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そう言って引っ張られている腕を少しだけ引いてみれば…歩く速度は遅くなり…歩幅も狭くなった。 気を…使ってくれたのだろう、それがおかしくてあたしは少しだけ笑ってしまった。 「…んだよ。」 「んーん、お気遣い痛み入ります。」 「…普段の口調に戻せ。」 「なに?日本の大和撫子風に言ってみたんだけど。」 「……痛み入るは女が使う言葉じゃねぇ、武士が使ってた言葉だ。」 「え?そうなの?」 そんなの初耳なんだけど…と思っている内にあたしはいつも乗っている車に押し込められる。 すでに中には雅達は乗り込んでいて…相変わらず、ニヤニヤ笑っていた。 …あたし、愛華の隣に座りたかった。 そう恨めしく思いながらも愛華の隣に座っているチビを鏡越しに睨むと目を逸らされる。 なにこれ、あたし悲しいんだけど。 車を走らせること約四十五分、走っていた車は神社であろう駐車場に入り停車した。 あたし達は車から降りてお参りするために長い階段を上がる。 .
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