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あたしは宮部の話を聞かずプリントに目を通す。
全学年合同射撃大会とはそのままの意味のようだ。
生徒が学年関係なくA組だったらA組、B組だったらB組、のように別れる。
これは体育祭と似たようなものに見える。
それで肝心な内容だが…。
あたしはプリントを見て呆れ返る。
どうやらクラスごとにチームを組み、相手を配られたエアガンで仕留められたら勝ち。
しかしそれでは当たった当たってないの喧嘩になってしまうのでBB弾サイズの弾を使う。
しかしそれはただの弾ではなく…当たった拍子に割れるペイント弾。
クラスごとに色も分けられている。
ちなみに病院送りしない程度なら武力行使も問題無いよう。
「…こんな下らねぇ事に金使ってんじゃねぇよ…。」
さらに読み進めてみれば…下の方に驚くべき事が書いてあった。
『五人ほど活躍した生徒には箱根温泉旅行六泊七日をプレゼント☆』
「……。」
これ、母さんが退院してすぐに働きにいかねぇようになるストッパーになんじゃね?
あたし、人より銃の腕前はあるはずだし。
…本気になれば箱根の旅行券ゲットできんじゃね?
やるぞあたしはっ!!
いつも苦労かけてる母さんにはこれぐらい休んでほしかったし…ちょうど良いじゃねぇか!!
あたしは一人でやる気の炎を燃やしていると…。
「桑原、お前は特別だ。」
「へ?」
急に宮部があたしの名前を呼びつい間抜けな声を出してしまった。
「…また特別?」
…あたし、あんまり特別扱いとか受けたくねぇんだけど。
あたしは少しだけ宮部を睨み付けた。
「贔屓とかそういう意味の特別じゃねぇよ、お前には悪いが特賞になってもらう。」
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