1860人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあお言葉に甘えて…。」
あたしは心の中で大袈裟にガッツポーズを作る。
よっしゃ!!これで母さんを仕事場から遠ざけられる!!
「お風呂ありがとう。」
「気持ち良かったー!!」
すでにパジャマと部屋着に着替えた2人が洗面所から出てくる。
「あっお帰りなさいお母さん琢磨お兄ちゃん!!」
「はいはいただいま。」
「お久し振りです、優香さん、琢磨君。」
「…百合…小さくなったか?」
「琢磨君が大きくなったんだよ!!」
百合と琢磨は久し振りの再会を喜び母さんも百合の頭を撫でる。
「……。」
―――ついさっきから感じている違和感。
心がモヤモヤする。
別になにかに不安を持ってる訳じゃねぇし、不満を持ってるわけでもねぇ。
じゃあなんだ?
百合?琢磨?愛華?母さん?
それともあたし自身?
「愛どうかした?」
「―――いや、何でもねぇや!!
さっさと晩飯食っちまおうぜ!!」
「愛華お腹空いた―――!!」
「じゃあテーブル拭いてくれるか?
琢磨はチャーハン盛れ。
百合は母さんが動かねぇように監視!!」
.
最初のコメントを投稿しよう!