お泊まり

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「…ふぁ…。」 …ねむ…。 昨日は…いやあれは朝方までやってたな…。 かなり喋って喋らせたから眠い。 話してる途中で居眠りしねぇように気を付けねぇと。 …でもあたし、今まで睡魔と言う敵に勝ったことねぇや。 ……。 ………。 「うん、やるだけやってみるか。」 今日はあたしの歴史的記念日になるかもしれない。 なぜならこのあたしが睡魔に打ち勝つかもしれないからだ。 「…急ご。」 あたしは公衆トイレに入るとすぐにカツラを取った。 誰もいないことは気配を探っているので心配無用。 いつものように髪を纏めてカラコンを入れて制服を着替えて…。 ‘鬼姫’になる。 この格好も今じゃ慣れたもんだ。 「よしっ完成!!」 鏡に写るあたしは素顔とは全然違って…。 たまにあたしは怖くなる。 いや、分からなくなるって言った方が合ってるかもしれない。 本当の自分がどれか、分からなくなるんだ。 ‘鬼姫’? ‘姫鬼’? ‘龍姫’? 家族の前でいるあたし? ―――それとも、本当のあたしはいない? .
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