お泊まり

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恐らくあたしの名前を言うつもりだったんだろう馬鹿拓也。 あたしは机の下で弁慶の泣き所を蹴り上げた。 机で隠れてよく見えなかったが卓斗も拓也の太股をつねっている。 「頼むから仕事に私情を持ってくんじゃねぇぞ馬鹿兄貴。 …次、そんな言動しやがったら…殺す。」 「はいっ!!」 あたしは拓也を睨み付けると心の中でため息をついた。 家の馬鹿兄貴はどうしてこう変わり者が多いんだよ!! 1人はシスコン1人は…卓斗がまだ普通に見えるあたしはそろそろ頭がイカれてしまったのかもしれない。 「さて、このままじゃ話が進まないから本題入って良いかしら。」 「おう、悪ぃな。」 「悪いって思うんだったら早く黙ってほしかったわ。」 「…すまん。」 「……!!卓斗が謝った…!?」 あたしは卓斗をめい一杯見開いた目で見る。 「オレだって謝るわ!!」 見たことない!! あたし、どんだけ卓斗が悪くても謝ってる所見たことねぇ!! あたしのプリン勝手に食べたり、あたしのお菓子勝手に食べたり!! あたしの大切にしてたぬいぐるみにジュース掛けられたって!! ……。 .
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