よく晴れた昼下がりのこと

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*** 「死」んでしまう。 その必然に嫌気が指した。 神がいるならば何故助けてくれない?我らは神にとってどうでも良い存在なのか。 無慈悲にも微笑むマリアを私は睨み付けた。そして、神を拝む子羊たちを哀れに思った。 人は彼らには出来ないことをカミサマに頼む。 自らは何もせずにカミサマに頼む。 私はそれも嫌い。カミサマに頼むほど緊迫しているのなら仕方がない。しかしなんだ、頼む頼むでそれだけか。己にできることはしたか?努力もしない、無理強いするヒトがいるということ。 それを私は神様に同情した。 そんな矛盾をいっぱい抱えて私は日々を過ごしてきた。 僕にもあるよ。悩み事が。 私はリビングのソファーに座り、結論のでない考えに呆けていた時だった。唯一の肉親である兄が突然語りかけてきた。 私には似よった兄がいる。兄も何かに対して結論が出ないようだ。私と同じ。まるきり。同じ屋根の下、私と兄は語り合った。この世の在り方、人生の在り方、世間との在り方。話は尽きなかった。 ユキ、コンビニに行かないか。 あの時も同じ様な日々を過ごしていた。昼過ぎのことだった。兄は普段と変わらずラフな格好で私をコンビニへ誘った。意味などない。 そして出会った。必然にも死にそうなその存在に。
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