episode1

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美並が話を変える。 「そういえばー、上原先生オメデタじゃん?今週から、部の顧問代わるらしいよ」 「えっ、今週から?新しい顧問誰だろうねー」 わたしも、朝香も、美並も、文芸部だ。 上原先生というのは二十代後半の女の先生で、文芸部の顧問。 すごく優しくて、きれいな先生なんだ。 先生は、数ヶ月前に結婚していて、今週から産休に入るらしい。 朝香が残念そうに言う。 「えー、他の先生に代わるなんてやだな。ね、玲衣」 「うん。先生、わたしたちが卒業までに復帰するかなー」 「どうだろ。産休の後に育児休暇に入るかもねぇ」 「てか新しい顧問、だれになると思う?」 美並が言ったことは、わたしも気になっていた。 「うち、中川だけはムリー」 朝香が言った中川というのは、古文の中川先生。 ハゲたおじさんで、いつも皮肉を言っている。 「わたしだってやだよ。他にはー?」 「うーん、あと国語科の先生で、部を持ってないのは……」 朝香と美並の声がハモる。 「ナオ先生!」 そっか。あの先生も部を担当してなかったのか。 「……って。飯澤先生もでしょ」 ツッコミみたいになってしまった。
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