episode1

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振り返ったわたしの目に映ったのは、柔らかな色の髪。 整った顔は、ちょっと気怠げな表情で。 それが少し、色っぽい。 秋葉先生。 わたしはどこかで、先生が顧問になることを予測していた気がする。 陽菜がすぐに先生に気づく。 「せんせー、みんなそろいました!」 「遅れてすみません、先生」 全員揃うのを、先生は待っていたみたいだ。 「次から気をつけなさい」 先生は苦笑しながら言った。 「じゃあ、改めて。上原先生が産休に入られたので、顧問になりました、秋葉です。よろしく」 先生が黒板に大きく、秋葉尚輝、と書く。 国語教師らしい、きれいな字で。 「文芸部は二年生が五人、一年生が三人か」 朝香が、きらきらした瞳で先生を見ている。 ……新しい顧問が秋葉先生で、すごく嬉しそう。 「一年生は受け持ってないし、一応全員に自己紹介してもらいます」 美並が「部長からだよ~」と由里を肘でつつく。 「部長の永瀬由里です。二年一組です」 「副部長の帆刈朝香です。二年二組です」 朝香はあんな奴だけど、意外にもしっかりしている。 副部長なんて面倒くさいと言いながら、ちゃんと仕事をしていたりする。 自慢の親友だ。
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