episode1

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「風が吹いて 花びらが空に舞う 光に満ちた春の空 振り向くと それよりも眩しく輝くような 君の笑顔が目に入って どきん、と胸が 高鳴った」 「いいじゃん。なにがだめなの?」 陽菜の眉は下がったまま。 「自分でも悪くないとは思うよ。でも、陽菜はどうしても恋愛の詩ばっかりになっちゃうんだぁ……」 たしかに、陽菜は恋愛詩が多いかも。 でも逆に、わたしは恋愛ものが苦手だから、恋とか愛とかをうまく表現できるのは、陽菜の長所だと思う。 「わたし、陽菜の恋愛詩すきだよ」 「ほんとっ!?嬉しい!」 ぱぁっと陽菜の顔が輝く。でも、すぐに難しい顔をして、考えこんだ。 「でも、ちがうジャンルを書いてみたいんだよねぇ」 「そっかぁ。どんなジャンル?」 「友情とか」 友情、と聞いてわたしはひとつ、ひらめいた。
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