prologue

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「またお越しくださいませー」 店員の声と共に、わたしは本屋さんを出る。 外に出ると、やわらかい陽射しが降り注いでいて、青空がきれいだった。 四月も下旬の午後二時は、麗らかで、あたたかい。 カサカサ音がするビニール袋に入っているのは、「きみと雨傘と恋と 3」。 お気に入りの恋愛小説の最新刊が手に入ってすっごく嬉しい。 二巻はカナが優斗に告白したところで終わっていた。でも優斗はカナの妹が気になってたから…… なんて考えてるうちに、柳ヶ浦自由公園のまえにある交差点にさしかかった。 この交差点を右に行けば、駅。 でも、公園を突っ切ったほうがはやい。 一秒でも早く家へ帰って読みたいわたしは、公園へと入った。
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