妙薬

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そんなタダユキの「お耳に入れておきたいこと」という言葉に、ウズマサの太い眉がぴくりと反応した。 「ふむ。言うてみい」 「はっ、それが……姫様の病気を治すことができる、と申す者が現れたのでございます」 「な、何っ!?」 ウズマサの娘は名をユキといい、その名の通り雪のような白い肌の美しい少女であった。 しかし、数ヶ月前から謎の病にかかり、ずっと床に伏せっていたのだった。 「タダユキ、早く! その者をここへ通せ! 儂が十数える内に!」 「いや、その者は今、姫様のお部屋におりまして、十数える内にというのは……」 「ええいまどろっこしい、儂が行くっ!」 そう言うとウズマサは部屋を飛び出し、床板を踏み抜く勢いで駆けて行った。 「殿、お待ちくだされ~!」 タダユキも慌てて主を追いかけた。 早歩きで。
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