第一話〓届いたみかん箱🎁

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第一話〓届いたみかん箱🎁

ピンポーン♪ガチャ……。 「こんにちは宅急便です!」 扉を開けるとそこには大きな箱を抱えた●猫△マトのお兄さんの姿があった。 「ハンコかサインをお願いします!」 「はいはい……。」 ゴソゴソ……ペタリ。 「ありがとうございました!」 バタン……。   改めて見ると……届いたのは大きめのみかん箱だった。 (一体誰が……。) 差出人を確認すると私の絵の師匠からだった。 冬ももう終わりに差し掛かったこの時期にみかん? まさかそんな事もあるまい……一体中身はなんだろうか? (………………。)   悩んでいても仕方ないので私は蓋を開けるべく箱を覗き込んだ。 すると、不意に箱が小刻みに揺れはじめた! 「なっ!」 私が呆気に取られていると……。 メリメリッという音と共にガムテープが剥がれ、箱の中から何かが飛び出した!   ガンッ! 飛び出して来た何かは私のアゴを直撃し私は見事にひっくり返った。 そして、ひっくり返った私の耳には何故か子猫の鳴き声のようなものが聞こえてきた……。 ミーミーミー……。 私が痛むアゴをさすりながら起き上がるとその場にうずくまった人影が目に飛び込んで来た。 (女の子?) それは確かに猫耳のついた帽子をかぶった少女だった。 箱から飛び出した少女は頭を抱えて泣き続けていた。 どうやら飛び出した弾みで私のアゴに思い切り頭突きしたらしい。 泣き続ける少女を前に私は途方に暮れた……。   「……で?師匠があんたを箱詰めにして送って来た訳?」 「はい!そうです♪」 落ち着きを取り戻した少女は"ミカン"と名乗った。 本人の言葉によれば、彼女は異世界から来た"猫妖精"らしい。 「猫妖精ねぇ?」 ニコニコしているミカンを眺め私は呟いた。 (……とりあえず、師匠に電話してみるか。)
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