創世記

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長い月日が経った。 彼の前には美しい女がいて、彼に向かって愛の言葉を囁いている。 結果として彼は成功したのだ、人間だけでなく動植物も知ってる限り作った結果、今やこの世界はクローン生物で溢れている。 彼はこの世界の創造者となったのだ。 しかし彼は思うのである、ほんとにこれで良かったのかと。 例えば今目の前にいる女が色々と音を出しているが、これは自分が作り上げて、そう言うような行動をインプットさせてる訳で、所詮作り物で。 だんだん虚しくなってくるのだ、景色を眺めていても、生物が喧嘩しても、これが皆自分の作った幻想だと思ってしまうと。 彼は思うのである、アダムとイヴを作りし神も最初は寂しくて知能のある人間を作ったのではないかと。 そして自分同様虚しくなって消えていったのだと。
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