ドッペru原画ー ノ 肆

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「先に名告らせて頂く。我が名は梟(フクロウ)、この校舎を発祥の地とする、“怪談”だ」   現状把握。  だからといって、  唐突に現れて、  唐突に横やり入れて、  何を言ってるんだ、こいつは。  この状況で、邪魔者なんて入ってきていいわけがない。  ここは僕達の問題だ。  今は、僕達だけの問題だ。 「横槍の無礼と双方どちらかを流行りの怪談、どっぺるげんがあと委細承知の上で」  眼鏡武者が、構えた。 「ここにて、我が怪談、その畏怖の糧と成って頂きたい」  左足を半歩後ろへ下げ、腰を落とし、  腰の刀に手を添え、鯉口を切る。  何かを斬りつけるようとする、構え。  解っているのだろうか。  それが、意味するところが。 「『なんなのよ……』」  同時に呟いた、削雛さんが一歩前へ。   眼鏡武者が腰をさらに深く落とした。 「『後からでてきて、なんなのよ……私達の、邪魔をしないで!』」  咄嗟に体は動いていた。まずは削雛さんへの危害を防ぐために、その前へ。  対になった僕も、やはり同じように動いた。やっぱり僕と同じ事をするのだと、 「御免」  思った次の瞬間、僅かなズレが出た。  やはり、偽物は偽物ということ            だろう。  僕は、そんな風に    僕を       見下ろさ      な   い      い?  視     点が勝   手に      回転          する    あ   れ    なん    で  は  つび  な   さん         の    顔が    廊下   に     転   が  ってい    るんだ     ろう。  あ れ  ぼ   くも      ?        「 “ 怪談 十六代目 骸落とし ” 」  首から離れた頭が転がって、  グルグルと、  ガラガラと、  ゴロゴロと、  今さながらの走馬燈を写し出した。   §   §   §
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