ドッペru原画ー ノ 肆

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 思わず、持ち出す言葉を悩んだ。 「……身空木が言ってたとおりなら、僕達は本物ですよ」 「でも、だって、あいつは 嘘吐き なんでしょ?」  震える、削雛さんの声に、歪む瞳に、言葉が詰まった。 「考えたら、なんだか眠れないのよ……クラスの奴等にいくら偽物扱いされても平気だったのに……あの女に言葉にされたら、なんだか不安で、解らなくなってきて……すごく、恐いのよ」  確かに、身空木は嘘吐きだ。  友人を騙し、  隣人を欺し、  他人を瞞し、  嘘のためなら、なんでもするような奴だ。  痛い目を見たくなければ、信用なんてしてはならない人間だ。  どんな言葉も、信用に足ることはない人間だ。  だったら、僕もとっくに、偽物になっているのだろうか。 「大丈夫ですよ、僕達は本物ですから……」  そんな事は、考える必要もなかった。  酷く、無責任な言葉だと思った。 「だったら!」  掴まれていた裾が放されたと思えば、今度は手首を掴まれ、引かれ、再び僕はベッドに倒された。  シーツの海へ深く沈み、押し込まれる。 「ちゃんと私を見て。私を見て、私が本物だって、言って……」  仰向けのまま、馬乗りになられる形で、僕は削雛さんにベッドへ押さえ込まれていた。
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