ドッぺru原画ー ノ 壱

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 なので下校時刻一時間前から全教師と生徒会警らメンバーによる見回りが始まる。  もし時間外の進入が確認された場合、最低でも一週間の停学処分、酷い場合は問題児の判を押され、特別教室へのクラス替え、薊ヶ原奥地にある寮への強制島流し等々、その処罰は厳しいものがズラリと並ぶ。  だからダレも好きこのんで下校時刻を破ることなんてしないし、夜に友達と遊んだり、非行に走りたいのならわざわざ校舎内を選んだりはしない。    でも削雛さんの言う通り、この校則に対しての例外が存在している。    学園側から、その法外を歩くことを許されている人間がいる。    選定基準不明、選定時期不明、選定数不明、選定理由不明。    学園内における校則のいくつかを特例として免除され、あまつさえ特権と、一括りに総じて呼ばれる名前が与えられる。 「そうでしょ、御影ノ学園特異階級保有者、身空木楓」  なぜ、こんな嘘吐きに特権なんてものを与えているのか。そんな学園側の考えに僕の思考が及ぶわけもないと思っていたけど、今日やっとわかったことがある。 「……はん、よく調べてきてるみたいじゃないか、特異階級保有者、削雛千鶴(はつびなちづる)」  たぶん学園は、削雛さんのツインテールに惚れたに違いない。 「やっぱり私の事も筒抜けってわけ? ま、こんな名字だから仕方ないとして、あんた、情報収集と操作が得意らしいじゃない」 「残念ながら不得意だよ、情報にはいつも踊らされる方でね」もちろん嘘だ。 「収集した情報を噂話に伝播させて、その怪談を枯れ尾花にして価値を下げる。それもかなりの速度で。怪談話だって実害が及ばない所にいる人間にとってはただの噂話とかわりないんだから、うまい手よね」 「その話こそタダの噂話だと思わないのかね? 可哀想な女だ、騙されたと気付くのが遅すぎたようだ」 「私だって話だけを聞いてたら冗談めいた能力だと思うし、信じもしなかったわよ」 「つまり確証があるとでもいうのかい、こんな与太話に」 「そうよ、そしてどうせあんたはそう言うだろうって言ってたわ。だから言付けを預かってきたの」 「言付け?」  ゴホン、と改まって削雛さんは言う。 「『やぁ楓ちゃん、先月はお疲れ様だね。そのゲーム機とソフトはボーナスだからクリアしたら感想を聞かせてね』」
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