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「……じゃぁそろそろお願いします」
「なんだね、私のAランチはやらんぞ」
「じゃなくて色々と説明をしてほしいんだけど」
「説明? あぁそうだな、うんうん、だがその前に! 一言だけ言わせてくれないか?」
「どうぞ」
「フォカヌポウ!」
高らかに叫ぶ身空木に僕は再びフォークで襲いかかる。
「甘い!」
今度はスープカップについてきたソーサーで防がれたが、負けじと押し込む。
「ふ、ふふ、どんな意味かなんて浅学な君にはわかるまいだろうに」
「わ、からなくても、な、んとなくむかつくんだよ」
「そう怒るな、清楚にしてないと可愛い顔がでゅふふ」
「うざい、なんで僕はこんな格好をさせられている」
フォークを引いて、再び刺し込む。
「答えよう、転科を願いを出す際に私が君の性別を女になるよう細工をしておいたからだ」
またも器用に防がれる。
「また教師を騙したのか」
「今回も簡単な事だったよ」
「なら次はどうして女で登録したかだ、納得できる答えを言ってもらおうか」
「女はいいぞ、涙を流せば武器になり、男に襲われそうになったら、この人痴漢ですと叫びながら手を挙げれば、大体の事は国家権力が味方になって解決してくれる、つまり女子高生は最強なのだよ」
「答えになってない」
「なら正直に、変装と趣味だよ」
「変装なら男のままでも充分にできたはずだろ」
「だが男のままであの女にずっとついて廻るのは無理だよ。逆に問おう、シュウ、君の任務はなんだね」
「問題を解決するまでの安全確保担当」
「なら君は男の格好のまま女子トイレに入るのかね? 女子更衣室に入るのかね? だとすれば素晴らしい勇気を携えた変態さんとして教師陣に調べられて、すぐに島送りになるだろう」
……なるほど、それは確かにそうだ。
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