ドッぺru原画ー ノ 弐

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「一番奥の個室にもう一人いる」 「なんだ、ではそいつ“から”使うとしよう。こいつはその隣にでも入れておいてくれ」  ビニール袋を僕からひったくると、削雛さんの横を通り過ぎて、奧の小部屋へと消えていった。  すぐさま扉が閉められ、中からガムテープが引かれる音がしばらく聞こえてから、金属が擦れる音がガチャガチャ。    中で何が行われているのか、僕には想像できない、しない、したくない。    とりあえず絶対にワクワクするような工作はしていないと思う。    言われた通り、金髪男を隣の個室に押し込んで扉を閉めた。    少しして、 「おい君、大丈夫かね、そろそろ起きたまへ」  隣から肌を何度か引っぱたく音がする。 「……あ、だ、つぅ、あ、ああ、なんだよ、くそ、あた、いてぇ……え?」  どうやら茶髪男は目を覚ましたようだった。 「やぁおはよう、君に少々聞きたい事があってね。さて気分はどうだね?」 「なんだよこれ、な、なんだよこれ! おい、おい! なんだよこれ!」 「あまり力まない事をオススメするよ。安物なんでね、あんまり力をいれると、そのまま中で割れてしまうかもしれない。それと君のポケットにあったライターを借りているよ、最初はこれにすべきか、それともこっちのアルコールランプにするか、はたまたバーナーにするかを悩んでいる最中なんだが」  ガラスを軽く叩くような短い音がして、それに合わせて茶髪男が喉を引き攣らせた。 「――さて、状況を正しく理解してくれただろうか?」  僕は理解なんてしたくない。  これ以上は色々と危ないと判断して、僕は削雛さんを無理矢理引き起こし、男子トイレを出ることにする。背後からガスバーナーが着火する音と、男の叫び声が僅かに聞こえたが、水の流れる音に掻き消され、僕は思わず背筋が震えた。 「…………あいつ、やっぱり人の皮を被った悪魔だわ」    想像しちゃいけませんよ、削雛さん。  だけど僕もそう思います、削雛さん。   §   §   § 
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