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到着して、椎名宅にあがりこむ。
照明が落とされた部屋。
細かいかわいい雑貨から、DJブース、洋服のボディ。
23歳男子の部屋にしては、女子っぽさが伺える部屋に蓮見と椎名、それに私という異色。
3人が同じ高校だが、学年が3人とも違うので、どの代に可愛い子がいたかという話題に。
女子の私がいる事を横目にその話は繰り広げられた。
椎名が3年の時、私は1年。
椎名は、特に目立つ方ではなかった私を知っていたと言う。
それから、私が美容師見習いと言う事もあってか、
椎名は「カラーしたい」
と言い、練習モデルを探していた私にはもってこいの話題だった。
しかも、椎名はこの時かなりのロングヘアで、バージン毛と言って、1度もカラーリングをしていないキレイな黒髪だったのだ。
そんなモデル、滅多にいない。
即座にモデルに誘う。
承諾をもらい、
後で連絡する事を約束した。
蓮見はこの時点で気付いていたのだろうか。
椎名が、気遣って高校時代の私を知っている、次の約束のためのカラーしたい発言だった事を。
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