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廃墟の瓦礫の上に佇む一匹の鴉。全身の毛並みは整ってはいるが汚い印象が残る。黒い体のなか一際目立つ赤い眼が何かを見据え、飛び立った。何を求めてか、それは誰にもわからない。
廃墟と化した街の上空を2機の戦闘ヘリが飛行する。その先には…。
───アーマード・コア。通称AC。作業用に開発されたマッスル・トレーサー、略してMTをベースに各パーツの規格統一化、武装化等でより戦闘向けに開発された機動兵器。コクピットのあるコアを中核に四肢を交換することにより組み換え、多種多様な状況に柔軟に対応することが可能である。
そしてACを所有する傭兵はこう呼ばれる。
──「レイヴン」と。
街は戦場だった。そこでは2つの鉄の巨人が戦闘を行っている。軽量型、中量型の2機とも角ばったデザインが目立つ。3大企業のうちの1つ、クレスト・インダストリアル社製のフレームで構成されているからだ。
それぞれのACが目の前にいるMT2機をマシンガンで破壊する。
そのとき、後方より飛来する機影。先ほどの戦闘ヘリだ。ヘリからミサイルが放たれるもACには命中しない。ヘリは一度通り過ぎてからUターンし、ACに向かって機銃を撃った。
だが中量型のACは機銃にひるむ事無く、右肩に装備されているミサイルポッドから4発のミサイルを発射した。そのうち1発が命中しヘリは爆発。残ったもう1機のヘリに軽量型ACはマシンガンを撃ち込み撃墜する。
そこに新たな機影が接近する。──それはACだった。
敵ACは流線形のデザインが目につくため、ミラージュ社製のフレームがメインに組まれたACだろう。
軽量型のミラージュ高速戦闘型が飛行しながらこちらへ接近してくる。クレストAC2機はマシンガンを撃つがうまく当たらない。その時、ミラージュ高速戦闘型の後ろから2発の砲弾が飛んできた。クレスト中量型は辛うじてかわすものの、クレスト軽量型は避けきれずに左の肘間接を吹き飛ばされてしまった。奥には重量型の敵ACが佇んでいる。ミラージュ遠距離砲撃型だ。どうやらさっきの砲弾はコイツが放ったらしい。
AC対AC、何者も介入出来ない戦闘が始まった。
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