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試験官が言う。
「そろそろ目標地点に到達する。もう一度、君達に課せられた依頼を確認する。目標は市街地を制圧している部隊の撃破。敵勢力は戦闘メカだ。この依頼を達成したとき、君達はレイヴンに登録される」
輸送機後部のハッチが開き、市街地が見える。
「このチャンスに2度目はない。必ず成功させることだ。これより作戦領域へ投下、ミッションを開始する」
2機のACは歩き、輸送機から飛び出し着地する。
「ッ…!」
わかってはいたがシミュレーターとは比べ物にならない衝撃がかかる。
『システム 戦闘モード 起動します』
その音声とともにモニターにはロックオンサイト、残弾等が表示される。
「行くぞ」
自分に言い聞かせて機体のブーストを吹かし前進する。
「これに生き残れば!」
アップルボーイの声が聞こえる。
そうだ。─生きのこるんだ!
先へ進むとMTを発見。ロックオン出来たのを確認するとトリガーを引く。一定間隔でライフル弾が発射されMTに命中していく。数発被弾した後MTは黒い煙を吹き、爆発した。
辺りを見回すと離れた場所にもう1機。
「遠いな…」
オレはコアの機能、OBを起動させる。背中の小型ハッチが開き高出力ブースターが露出する。エネルギーをチャージし数秒のラグのあと、機体はかなりの速度を得た。だが…。
「なぁぁあぁぁぁああああ!?」
OB時にかかるGは予想を遥かに超えていた。確かに訓練していた筈なのに…。
身体がシートに押し付けられる。一瞬、目を閉じてしまったがなんとか目を開ける。視界に飛び込んできたのは目と鼻の先のMT。凄い速度だ…なんて思っていられない。直ぐにOBを切ろうとしたが間に合わず敵MTに激突してしまった。
その衝撃で安全装置が働きOBが停止する。
「大丈夫ですか!?」
「くっそ…ってヤバッ!」
見るとMTは真っ黒な煙を吹き、今にも爆発しそうだった。
あわてて機体を立て直して後退するがMTは爆発してしまう。
「しまった!?」
『右腕部破損』
機体に大きなダメージは無かったものの、ライフルが誘爆してしまった。ACの右手が原形をとどめていない。
これをチャンスと見たのか、敵MTが近くに集まっていた。
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