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「……ん? 璃玖(リク)、ちょっと待って」
「はっ?」
訓練からの帰り道、あまり似てると言い難い双子の若い忍びは【あるもの】を見つけた。
「急にどうしたんだよ、宇弥(ウミ)」
突然、里がある方向と違う方向に走り出す双子の兄を不思議に思いながら、璃玖は彼の後を追う。
「なぁ宇弥ぃ。どうしたんだ――」
「――いた……」
マイナスイオンが出てるんじゃねぇか? と思える声で彼は呟いた。
気になって宇弥の視線をたどる。そして、見つけた途端眉間にしわを寄せた。
「………………何者だ?」
この世界では、おかしいと言える恰好をした少女が、お腹から血を出して横たわっていたのだった。少し白い肌、ゴケ茶色の長髪をした少女に駆け寄って意識確認したが、とても危ないと判断した。
この後、双子は自分たちの里に少女を連れて戻り、彼女を手当てする。
そのおかげで、少女は命を取り留めたのであった。
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