日常

3/6
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
「お兄ちゃん。そんなのろのろしてると遅刻するよー」 妹の尋常じゃない速度に驚いていたら、呆れたような声を飛ばされた。どうやら俺の最速はのろのろならしい。 いや、お前が人間じゃないだけだって。俺が一般的な速度なんだよ。とか思ってたら、母からお叱りが飛んできた。すんません。直ちに準備するんで、その大声やめてください。 「いってきまーす」 妹が靴を履き終えたのか、玄関のドアを開け振り向いて言う。母のいってらっしゃーいという声を受けて、走って出て行った。 まったくお前らは朝っぱらからそんな大声出して、俺をいじめたいのか。 「葵!さっさとしなさい!」 「サーセン」 母から二度目のお叱り。心を込めて全力で謝罪して、朝食を食べた。うーん、やっぱ美味しいな。このカロリーメイト。 その後、家を出るまでに母からのお叱りを3回ほど受けた。 現在時刻、午前8時50分。学校のHR開始が8時45分。どう足掻いても遅刻だ。妹よ、お前のアドバイスは無駄のようだったよ。どうせ遅刻だし普通にのんびりと歩いていくことにしよう。 本日も通常通り。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!