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その国ではその一人が王さま
王さまは産まれた時から一人きり
ずっと一人で住んでいました。
王さまは何をしても怒られません
何故なら悪い事をしても叱る人が居ないからです
毎日毎日、自由な日が続くのです
ですが王さまはそれゆえに知らない事がたくさんありました
教えてくれる人が居ないからです
王さまは怒りも悲しみも喜びも楽しむ事も知りません
一人きりが寂しいと思うこともありませんが
一人きりが楽しいと思うこともありません
毎日、日が登り日が沈む
それをずっと王さまは見つめているだけでした
国の真ん中にある大きな大きな樹の上で
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