0~recollection~

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社会のシステムである雇用とは、仕事の上で必要なシステムであるが、つまり何をしているかというと、大仰に「頼み事」をしているだけだという見方ができる。 ある会社が、社長1人で全ての仕事ができたとしよう。休みもあり、十分な儲けが維持できる、そういう会社があるとしよう。 そうなった時、社長は社員を雇用するだろうか。 答えは否、だと思う。 雇用とはとどのつまり、「頼む側」が「頼まれる側」に厄介事を押し付ける代わりとして金銭や物資などの見返りを差し出すことで、厄介事を押し付ける事を承諾させるシステムだ。 1人で全てができるのであれば、わざわざ見返りを提出する意味はない。すべてやってしまえばいいのだから、雇用の意味はない。 しかし普通の会社はそうはいかない。様々な仕事を途方もない量処理していかなければならない。故に時間と、時には能力も足りない事があるだろう。だからこそ、雇用というシステムによって、「頼られる側」を集める必要があるのだ。 これはよく考えられたシステムだと思う。ただ厄介事を押し付けられたがる人間はいない。だから見返りという対価を差し出すことで、頼まれるという行動そのものに自分の為という意味を組み込む。 その対価が見合ったものであれば、雇用が成立し、「頼む側」と「頼まれる側」が生まれるのだ。
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