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O「はぁ‥‥、」
電話を切ったあと
自然に出た溜め息は
気が抜けた証拠。
呑みに行くなら
薬は飲めないな‥‥。
俺は薬をそのままに
また鞄を持って家を出た。
いつもの場所。
エリーゼに向かうために‥‥。
タクシーに乗り込んだあと
外の景色を見つめながら
自然と思い返す。
あの日は大切な
黄との一年記念日の前日で。
俺は忙しい純くんに
お願いして、黄に贈る
プレゼントを一緒に
選んでもらってた。
散々悩んだあげく
買ったのはお揃いの
リングネックレス。
俺も馬鹿だったんだ。
純くんの気持ちに
気付けてたなら、きっと
誰も傷つけなかったのにね。
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