めろんぱん

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N「‥‥ありがと」 きっと本人は気付いてない。 パンを渡したとき 嬉しそうに顔がゆるむこと。 その顔をみるたび 俺は幸せになれる。 黄にいちばん 近づけれる、しゅんかん。 O「俺が今日やいたの。   ちゃんと食べてね?」 N「もちろん。ここの   入院食まずいですし」 O「こら、そんなこと   ゆわないのー」 N「‥‥ふふ、」 俺たち2人は 小さく笑いあった。 まだまだ距離があることは わかってる。 敬語だし、どこか 他人行儀だし‥‥。 でも最初のころと 比べたら全然いい。 この成果があるからこそ 毎日ここに通える。 黄にも会える。 心もまだ保てる。 ねぇ、黄。 いつか俺との思い出を 思い出してくれますか? それとも、もう 思い出したくない? ‥‥俺はまだ、信じてるよ。 また幸せな、あの日々に 戻れること。 伝えたいこと 伝えれてないこと たくさんあるの。 だから、思い出して‥‥。 いつまでも信じて 待ってるから‥‥―。  
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