めろんぱん

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静かな病室。 窓の外を眺める 俺の手にはメロンパン。 ‥‥また来た。 ゆったりした雰囲気で 純粋な目をしたあの人が。 毎日欠かさずに来ては 俺の心配をして 他愛ない話をして 俺にパンを渡して帰っていく。 正直、あの人は苦手。 姿を見れば切なくて 苦しくて、もどかしくなる。 でも理由が分からないから モヤモヤが酷くなって。 けど本能が思い出したく ないって訴えかけるから 俺は直接聞いた事がない。 でも一番不思議なのは 落ち着くこと。 あの人といたら なぜか心が落ち着く。 N「はぁ‥‥」 俺に抜けた記憶を 思い出せば、すべてが 分かるのに‥‥。 思い出すのが怖い。 ――‥コンコン。 突如聞こえたノック音。 ハッと意識を取り戻して。 N「どうぞ」 返事をすれば現れたのは。  
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