49人が本棚に入れています
本棚に追加
必死に呼びかけた。
何度も何度も震えながら。
『こう!こう‥‥っ』
起きなかったら、どうしよう。
そんなことばかり
頭に巡っては
涙が止まらなくて。
でも君は目を覚ましてくれた。
『こ、う‥‥?こうっ‥‥』
『えっ‥‥、』
状況が掴めない君は
みんなの反応に混乱してて。
事故ったんだよ、って
友達の秀ちゃんに
そう言われて驚いてた。
『ほんとによかった‥‥っ』
目を覚ましてくれて。
でも黄は俺を
怪訝な顔でみつめた。
『‥‥‥あんた、誰?』
えっ‥‥。
『誰の友達か知んないけどさ
俺のこと黄呼びしないで?』
────
──────
───────────…
pipipipipipi――‥!
O「ッ‥‥!」
俺はハッと目を覚ました。
見慣れた家の天井。
それを見てさっきのは
夢だったんだと分かる。
O「またあの夢‥‥」
あの日からずっと。
俺は自分に起きた
出来事の夢をみてる。
そして、あの日からずっと
いい目覚めなんて
したことない。
俺の毎朝は憂鬱から始まる。
最初のコメントを投稿しよう!