紅い血

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「お前は、何故暴れてる?」 今はもう全てが嫌になる。 「ヅラ、辰馬、新八、神楽、ゴリラ、沖田…。 逃げろ。」 銀時の言葉に皆は目を丸くする。 「…旦那、何…言ってるんですかィ?」 逃げろ…………? 何故、逃げる。 「俺とこれ以上居たらお前等を殺す。 今だって必死に抑えてんだ。 ……早く、逃げろ。」 銀時の持つ刀がカタカタと震え、表情は辛そうだった。 「……………銀、ちゃん。」 神楽は目を細める。 「銀ちゃんじゃないネ。 今は白夜叉アルナ?」 「!!」 神楽は確信していた。 獣の様な目、警戒している顔。 夜兎族である神楽には分かってた。 戦闘部族夜兎は常に夜兎同士を闘い、夜兎の血に正確に従う。 そんな環境に身を置いてきた神楽が気付かない筈が無いんだ。 「……フッ、違わねぇな。 確かに坂田銀時であるが坂田銀時じゃねぇ…それは否定しねぇよ。 もう1つの人格ってな感じだな。」 銀時は何かが吹っ切れたような表情を見せる。
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