ごりら

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旦那(以下メガネ)に見せられない…。 うちの夫婦はかなりおおっぴらです。 先ほど書いたモノマネ第二位くらいまでは余裕で披露可能ですし、おならなんかもフツーにしあえます。 ただ、ごりらだけは…。 このごりら、中学の頃に編み出して以来やり続けているのですが、中学を卒業してからというもの、女子限定で爆笑を獲得してきたものでした。 何故かって…? あれは忘れもしない中2の夏でした。 ごりらも板に付いてきた頃です。 当時の私は147センチの体には重すぎるであろう肉を着けておりました。 そうです。 肥満児百パーセント。 それだけではありません。 漫画やアニメが大好きで、それを隠す事など一切なく、周囲が○ャニーズJrやV○等のリアルなアイドル達に心奪われる中、私は憧れのキミは鋼のホニャララのロイ・マス○ング大佐と人前で大声で悶えられる程、厨二くささを醸し出していました。 加えて、かなりのお調子者。 求められればどこまでも突っ走るいじられ三枚目キャラをぶっちぎりで大爆走していました。 その日も女友達にリクエストを受け、ごりらで周りを爆笑の渦に叩き込んでいたのですが…。 見られちゃったんですよ。 好きな男子に、ごりらを。 いくら肥満児でも、いくら厨二くさいヲタクでも、いくらいじられ三枚目キャラでも、中身は花も恥じらう14才。 さすがに好きな人に見られたと気づいた時にはビビりました。 すぐさまやめようと思ったのですが、さすが笑いの殺傷能力No.1のごりら。 彼も大爆笑の渦に、いとも簡単にのまれました。 ここまできたら引き返せません。 中途半端に終わらせて場がしらけるよりはいいと判断した私は、最後までごりらを熱演しました。 それはもう、紅天女を狙う勢いで。 ガラ○の仮面、読んどいて良かった!! やり切ったあと、彼はお腹を抱えて言いました。 「お前、マジすげぇよ…ぁはは。もう、なんつーかごりらだよな!」 終わりました。 その時の彼の爽やかな笑顔は、忘れられません。 いや、そもそも始まってすらないし、このごりらがなくてもはじめから望みなんて皆無だった恋なんですけどね。 …なんつーかごりらって、あんた。 女として見られる以前に人類として見られてねえじゃねぇか!!! そして私はこの出来事から、ごりらに対してある結論に達したのです。 ごりら召喚→ 男性に対して痛恨の一撃→私の恋、木っ端微塵→バッドエンド
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