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ある日の事でした。
前のお話でも出てきた私の十八番である「ごりら」(メガネの前でやっても大丈夫なくらいライトなヤツ)を連続でゆせさんに繰り出していた時です。
晩御飯も食べ終わり、後片付けも早々に済ませての一家団欒タイム。
笑顔が可愛い息子に、テレビのバラエティー番組に爆笑する愛しい旦那様。
私もごりらの合間にテレビを見て笑ってみたり、どちらからともなく話題をなげかけては色んな事をゆったり話します。
思えば、結婚式での親への手紙で
「私も、お母さんとお父さんみたいな明るく笑いの絶えない家庭を…」
てな事を涙ながらに読み上げて数年。
平凡ながらも、それに少しは近づけたのではないかと感無量に浸りました。
私「ごりら」
ゆせさん「(笑)」
私「ごりら&ごりら」
ゆせさん「(爆笑)」
私「ごりら&ごりら&ごりら」
ゆせさん「(大爆笑)」
赤ちゃんの笑い声って、とても幸せな気持ちになりますよね。
思わず、私はゆせさんに聞きました。
私「んも~。可愛いんだから~。そんなに笑って、ママの事なんだと思ってるの~?」
そう言って、ゆせさんに頬ずりする私。
頬ずりによって、“あ~”と言いながらまた目一杯の笑顔を見せるゆせさん。
ささやかな幸せがそこにはありました。
しかし…。
メガネ「ごりらだと思ってるんじゃね?」
痛恨の一言。
私「は?」
メガネ「だから、ごりらだと思ってるんだよ。因みに、俺もごりらだと思ってる。」
衝撃の発言です。
この日本において、自分の嫁をごりらだと思ってる旦那は何人いるのでしょうか?
いや、いたとしても本人に直接言う奴は少ない筈です。
私の理想的には、 ごりらしててもお前は俺の一番の女神だゼ☆
くらいは言って欲しかったのですが、まさかそんな反応が返ってくるとは夢にも思いません。
付き合った当時は、照れて照れて私の顔すらまともに見られなかったメガネ…。
私が理想のタイプそのままだと言って赤面するメガネ…。
そんなのは今や夢か幻。
結婚という現実は恐ろしいです。
私「ん? ん? なんだか、今とてつもないカミングアウトをされた気がすんだけど…?」
メガネ「絶対ゆせも思ってるって。聞いてみろよ?」
一歳児が答える訳ねぇだろがとも思いましたが、恐る恐る聞きます。
私「ゆ、ゆせさんは、ママのことごりらだなんて思ってないよね~…?」
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