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深川の母(因みに深川の下の名前は陽介)は、小さめな芸能事務所を経営してる。
まぁ、小さいと言っても人数が少ないだけだ。
一人一人はかなりの売れっ子で、それは深川の母、由紀子さんの審美眼と人望によるものである。
そこまでなら別に問題は無いのだが…
彼女にはもっと厄介な性質がある…
「そう、ウチのお袋。お袋がまずこの話を出してきたんだ。なぁ…?頼むよっ、お前のためだ」
俺は凍りついた顔をなんとか動かして、今、一番聞きたくないことを深川に聞いた。
「こ、この話を、ここ断ったらどうなるんだ…?」
「それは…お前もちゃんとわかってるだろう…?」
深川は苦々しい顔で答えた。
終わった。
俺の短い人生は終わってしまった…
俺らがここまで怯えるのには、理由がある。
由紀子さんはとてつもなく強い。
そう、強い。
強いといってもムキムキというわけではなくて、威圧感というか…一言で表すなら『女王』。
昔からよく知っている俺はその恐ろしさもかなり知っていて、深川共々絶対に逆らえないのだ。
だから俺の出す答えはただ一つ…
「わかった…やるよ…」
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