プロローグ10

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まだ若いが、デリフィスはよくわかっている。 ダネットは、この若者のことが嫌いではなかった。 デリフィスも、ダネットを嫌ってはいないだろう。 上司と部下という関係よりも、友人という関係に近い。 厳しい訓練を課せられる。 根を上げる者もいたが、ダネットは訓練を当たり前のことだとしか思わなかった。 訓練が行き届いていない部隊は、戦場では悲惨である。 ただ打ち負かされるだけの存在であり、最悪全滅だって有り得る。 傭兵団の中でも、デリフィスに率いられる部隊は特別なものになった。 百人が、千人にも匹敵する精強さである。 傭兵団の先頭で戦うのはデリフィスが率いる部隊であり、部隊の先頭はデリフィスだった。 若いデリフィスのことを認めない者は、傭兵団にいなくなった。 団長が、戦死した。
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