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ザッファー王国とラグマ王国の、国境を巡る争いの中でのことだった。
ザッファー政府に雇われた傭兵団は、前線で戦った。
それなりの戦果は上げただろう。
だが、団長が死んだ。
普通ならば、傭兵団はそれで終わりである。
デリフィスがいなければ、終わっていただろう。
デリフィスが新たな団長となり、傭兵団を率いることになった。
本人は嫌がったが、他に務まる者はいない。
剣術、馬術、そして戦術眼。
全てにおいて、一千の傭兵たちの中でデリフィスがもっとも優れていた。
デリフィスが指揮を執るようになり、傭兵団は更に強くなった。
五千を超えるラグマ軍を打ち負かし、追い回すことも度々だった。
デリフィスが新団長となり数日後、停戦の条約が結ばれ戦争は終わった。
そして、デリフィスは傭兵団を去った。
ラグマ王国に行く、とだけは聞いた。
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