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といっても、なにか当てがある訳ではない。
ズターエ王国で適当に職を探し、警官募集の広告をたまたま眼にし、冷やかし半分で応募し、ノリで試験を受けた。
結果は、合格。
さすがに、これには驚いた。
二十年ほど前に、当時将軍位にあったサバラ・ブルエスは、『魔王』ミド・アラエルから王位を奪っている。
サバラ・ブルエスはそれまでの王家の血を引いておらず、そのため反発する勢力がズターエ国内にいくつもあった。
その対応のための軍人や警官が不足している、ということなのだろう。
時期によっては、誰彼構わず合格にしていたようだ。
警官となったダネットは、一応真面目に仕事をした。
堅苦しい仕事である。
やがて飽きてしまい辞めることになるのは、わかっていた。
それまでは、稼げるだけ稼いでおくか、という気分だった。
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