プロローグ10

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「……またか」 額を押さえ、ザイアムは呻いた。 また、同じ夢を見させられた。 薄汚い寝台から身を起こし、枕元に置いていた『ダインスレイフ』に手を伸ばす。 『魂喰い』などという別称があるが、『ダインスレイフ』に自分の魂を喰われているのか、ザイアムにはよくわからなかった。 『ダインスレイフ』のせいでザイアムは無気力になったという者もいるが、所持する前から、なにをするにしても気怠さを感じていた。 『知ある魔剣』とも呼ばれているが、人語を話したりなどしない。 ただ、夢を見るようになった。 『ダインスレイフ』が、なにかを伝えたいのだろうか。 夢の中に、二人出てくる。 そして、会話をしている。 それはきっと、過去に交わされた会話。 遠い遠い昔の出来事。 ザイアムは、宿を出た。 支払いを求められることはない。
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