プロローグ10

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村を出ると、ザイアムは駆けた。 無謀にもザイアムを尾行しようという村人が現れるかもしれない。 だが、全力疾走をするザイアムに付いてこれる者はいない。 しばらく適当に移動したところで、ストラーム・レイルと遭遇した。 出会ってから、何日が経過したか。 もう何年という月日が過ぎ去ったような気もする。 初めて剣を交えた時は、一日半戦い続けた。 そして共に疲れ果て、どちらからともなく距離を取った。 その後は、丸一日眠った。 木の実や食べられる草を腹に入れ、また戦闘に臨む。 なかなか決着が付かなかった。 共に疲労のピークを迎えるまで、戦い続ける。 眠り、喰らい、そしてまた戦う。 何日も何日も、それを繰り返した。 戦い続けているうちに、随分と移動してしまった。 ある時から、ザイアムは村の宿で休むようになった。
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