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ストラーム・レイルも、別の村で休んでいるようだ。
夜襲などは考えなかった。
そんなものが通用する相手ではない。
ある程度まで距離が近付くと、どちらからともなく互いの存在に気付き合う。
奇襲などは成り立たないのだ。
それに、ストラーム・レイルとは正面から堂々と戦いたい。
ストラーム・レイルが、原野の真ん中で待っている。
(……まったく)
面倒な老人だ。
いつになったら、死んでくれるのか。
いくつか手傷を負った。
ほんのかすり傷だ。
なんの問題もない。
ストラーム・レイルにも、同じ程度は傷を負わせた。
魔法ですぐに治せるはずだ。
なんの意味もない。
決定的な一撃を、互いにまだ入れていない。
『ダインスレイフ』から伸びた管が、ザイアムの腕に突き刺さる。
(……なぜ、私を選んだ?)
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