プロローグ10

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『ダインスレイフ』は、使い手を選ぶという。 なぜザイアムなのか。 他にも相応しい者がいるのではないか。 例えば、今、前に立っているストラーム・レイル。 最高の魔法使いであり、最高の剣士。 この老人ならば、『ダインスレイフ』の力を限界まで引き出せるのではないか。 以前、ストラーム・レイルは『ダインスレイフ』を手にしたことがあったはずだ。 だが、『ダインスレイフ』は応えなかった。 ストラーム・レイル以上のものが、自分の中にあるのだろうか。 幾度となく見せられた夢。 (……お前の望みがなにか、私なりに理解しているつもりだ) しかし、ザイアムは一度絶望した。 『ダインスレイフ』の期待に、応えられなかった。 それでも、『ダインスレイフ』はザイアムに力を貸し続ける。 まだ、なにかできることがあるのか。
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