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そうして目が覚めたら、真っ暗な闇と
妙ちきりんな男しかいないこの不思議な
夢みたいな場所にいた。
「こんなのって、納得いかない」
「えっ?どんなの?」
心の声が口に出ただけなのに
いちいち反応してくるこいつは好けない。
「うるさいあんたが生きてることが」
「ええー、君ひどいなあ……」
大袈裟に肩を落とした奴は口を尖らす。
「うるさい。本当に一回黙って。
君君君君うるさいの」
背を向けたままの私に
奴はまだ話しかけてくる。
「だって君は君じゃないか。
君、以外になんと呼べと?」
「名前を訊けばいいでしょ」
そう答えたのが運の尽きだった。
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