2人が本棚に入れています
本棚に追加
「…………ああ!
それはいい考えだね!」
「うげっ……」
言うんじゃなかった。
今更後悔しても遅いけど。
「じゃあ君、名前は?」
「…………」
「………………」
暫し、沈黙。
「…………」
「………………ええとー……」
困ったように奴は首を傾げる。
「……名無しなの?」
「はあ? 意味わからないんですけど」
わざとらしく頭を抱えながら奴は続ける。
「いや、だからね? 先ほど僕は
[きみには、なまえがないんですか~?]
って尋ねていたんだよ」
「あんた……おちょくってるの?」
「おちょくってなんかいないとも!
ただ、真剣にそうなのかなあ、とね?」
自分の顔が引きつっているのが解る。
最初のコメントを投稿しよう!