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「……教えておくれよ~。
解らないじゃないか~」
お預けをくらった子犬のように
私にまとわりついてくるそいつに、
「これ、犬だったら捨てる」なんて
酷いことを思った。
「別にあんたが
私の名前を知る必要はないでしょ!」
「はあ?
君は「君」と呼ばれるのは嫌なんだろ?
だから教えてくれよ!
そうでないと僕は君と話せない!」
何故お前は私と話すことに拘るんだ!!
「だったら
話さなければいいじゃない!」
「…………」
「…………っ」
また、大声を張り上げてしまった。
感情的になるだなんて母さんみたいで
嫌なのに。
「…………あんたと…
喋ってると……イライラするの……」
だから、解って。
話したくないの。
「………………」
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