いけ好かない 変人

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  「…………じゃあ、『アリス』」 「……えっ?」 いやな予感がした。 「君は、『アリス・リデル』ってことで」 「は……?」 「あだ名みたいなものだよ、『アリス』。 僕はただ君と話したいだけだし、 君は名前を言いたくないようだから」 奴はそう笑って また、いつの間にか現れたカップに 紅茶を注ぐ。 「やめてよ……そういうの」 半ば呆れながら言う。 今更だが、なんでこいつは 私の前に回り込んでいるんだろう。 確か私は背中を向けていたはず……。 「じゃあ『リデル』ちゃん。 ははは、とりあえず流されておくれよ」 奴はとても楽しそうだ……首を 絞めたくなるほど。 ああもう、イライラする! 「……私は『リデル』なんかじゃない!」 私の 何度目かの大声に、奴は目を見開いた。  
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