落ちる 落ちる

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  「ねえおかあさん。 ひとはしんじゃったらどこいくの?」 名前通りの、 雛みたいに幼いころのわたしは そう母に訊いた。 「うるさい。 ひなは子供なんだから そんなこと考える必要ないでしょ」 母はそう答えた。 「ねえおとうさん。 ひとはしんじゃったらどこいくの?」 「うーん、 きっと何にも無い、真っ暗なところだよ」 父は、多分、そう言ってた。 まっくらはこわいって、 あのころは信じてた。  
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