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「イライラ?」
ゆっくり、そして格好付けるように歩いて
私に近寄りながら彼……いや、奴が言う。
「……更年期なのかな?」
「うん、
こんな無礼な奴は奴で十分だよ」
奴にはそばにあった
高そうな白塗りのカップを投げつけた。
「奴は奴……?
やっぱり君はへんてこりんだね」
あはは、と笑いながら
器用にカップを避けた男は私の顔を覗く。
「……カップ、割れたんじゃない?」
割れた音がしないのは不思議だが
私はそう訊いた。
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